陶器の貫入を防止する手入れ方法とは
陶器を買った時に付いているヒビのようなものが気になったことは無いでしょうか。今回はそんなヒビのようなもの、貫入について解説していきます。
■貫入とは?
貫入とは、陶器を焼成してから冷やす間に、
陶器の素地と釉薬の収縮率が異なることで起こる現象を言います。
素地と釉薬の収縮率に差があると、
釉薬が素地に引っ張られ、ヒビのような模様が入ってしまうのです。
なので、収縮率の差を無くすことで貫入を防止することができます。
貫入はヒビのように見えますが、実際は陶器自体にヒビが入っている訳ではありません。
貫入があるからといって、水漏れが置きてしまうようなことは無いので安心してください。
■貫入は作品の味わいでもある
日本や中国などの食器は貫入を趣きのあるものという考えで、
貫入が陶器に入ることでより表情を出せると親しまれてきました。
陶芸作家の方で、貫入を入れるためにわざと釉薬を薄く塗ったりすることもあるそうです。
そのくらい、貫入も作品の一部として味わえるものなのです。
一方、ほとんどが磁器で作られている洋食器は、
見た目もツルツルしているので、貫入は好まれないことが多い傾向にあります。
■貫入を防止する手入れ方法
貫入を防ぐには上記でも書いたように、
素地と釉薬の収縮率を同じにすることで防止できます。
メーカーで大量生産されているものは、
耐貫入性試験を行うことで貫入が起きないかどうかをチェックしています。
しかし、陶芸作家が作る一点ものの陶器のほとんどには、貫入が入っています。
そこで、貫入をなるべく目立たせなくするための手入れとして、
陶器を購入したら、まずは水に浸けこんでおくと良いでしょう。
そうすることで料理の色素が貫入に入るのを防ぎ、
一気に染まって貫入が目立つといったことは無くなります。
もしくは、米のとぎ汁を使って煮沸をすると、目止めするのと同時に着色を避けることができます。
陶器には味わいとして貫入を楽しむ文化があります。
貫入を目立たせるために墨で染める陶芸家もいるそうです。
もちろん、手入れを行えば貫入を目立たせなくすることはできますが、
貫入も含めての陶器の表情を楽しんでみませんか。
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